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学長 大槻 勝紀

 本学は1927年に5年制の高等医学専門学校として誕生し、西日本の私立大学医学部では最も古い大学であります。創立当時の日本は昭和の大恐慌の最中で、多くの国民が中国やブラジルなどに移住し移民団での医師不足が社会問題となり、当時の衆議院議員吉津度先生が移民団への医師派遣を目的として本学を創立しました。そのため学歌にはゴビの原やアマゾンの岸の花などの歌詞が謳われています。また吉津度先生は、建学の精神として「医育機関の使命は医学教育と医学研究であり、またその研究は実地の医療に活かすことで完成する。」と唱えられました。その精神は阪神・淡路大震災や東日本大震災、熊本地震への救援活動や地域医療として兵庫県や高知県の医師派遣事業へと今なお受け継がれています。本学は2010年に看護学部が、2014年に看護学研究科が併設されました。2016年には大阪薬科大学と法人合併し、学校法人大阪医科薬科大学として医学部、看護学部、薬科大学を備えた医療系大学として生まれ変わりました。本学は2017年に創立90周年を迎えました。

 創立90周年及び100周年を迎えるにあたって、ハード面では中央手術棟、関西BNCT共同医療センターが完成し、また本学法人の高槻中学校・高等学校の校舎の建築が進行中であり、今後は病院本棟の建て替えなどの事業が控えています。ソフト面(教育・研究)では、本学の建学の精神にのっとり、学長として世界有数の医療系総合大学を目指すために2015年に5つの教学方針を発表しました。1. Innovation、2. Translational Research、3. Globalization、4. Social Contribution、5. Open Mindです。これまでの間に幾つかの成果を生み、改革が進みました。Innovation(教育改革)では2017年に学生研究や臨床実習の充実を目指して新カリキュラムを実施し、2018年に日本医学教育評価機構(JACME)による医学教育分野別評価(国際認証)を受審いたしました。教育面での本学の特徴は多職種連携教育です。新入生合同学外合宿、合同ゼミ、合同カンファレンスや医薬看合同地域医療実習などが行われています。また教育に関するデータの分析とその結果の共有を目的としてIR室を設置しました。Translational Research(研究)では、公的外部競争資金として文部科学省より採択されました科研費の採択件数はこの3年間で約2倍に増加しました。また日本医療研究開発機構(AMED)の事業では2012年度から毎年大型プロジェクトが採択されています。文部科学省の2017年度私立大学等改革総合支援事業では、タイプ1「教育の質的転換」、タイプ3「産学連携」、及びタイプ5「プラットフォーム形成(他大学との連携事業)」が採択されました。3つのタイプが採択されましたのは西日本の医学部では本学のみです。更に2017年度私立大学研究ブランディング事業タイプA(社会展開型)の大型プロジェクトにも採択されました。本プロジェクトは、産官学が一体となって健康寿命の延伸を目的とした「たかつきモデル」の創出を行います。Globalization(国際化)では中山国際医学医療交流センターを中心に医学部・看護学部を含め、世界の10大学(ハワイ大学、アムール医科アカデミー、マヒドン大学、ソウル国立大学、シンガポール国立大学など)と国際交流締結を行い、学生交流が盛んに行われています。今後は、大学院に「医科学」修士課程を設け海外からの留学生を増やしていきたいと考えています。Social Contribution(社会貢献)では前述しましたように建学の精神の下に災害医療や兵庫県や高知県への医師派遣を行ってきました。また2018年に高槻市、高槻商工会議所と本学の間で口腔分野における研究協力に関する協定書を締結しました。また高槻市との共同サスティナビリティ事業を提案し実施することになりました。その事業は3つのプロジェクトからなり1. 医工薬連環プロジェクト、2. 食育とオーラルケア・プロジェクト、3. 認知症に関わる多職種人材育成プロジェクトです。これらのプロジェクトには高槻市行政の下、医学部、看護学部、大阪薬科大学薬学部、高槻市医師会、高槻市歯科医師会、高槻市商工会議所など多くの機関が協力して高槻市民への教育啓蒙活動や地域包括ケアを展開していく予定です。最後のOpen Mind(情報の共有化、教職協働)は様々な場面で見られるようになりました。その成果はタイプ1、3や5の採択、2016年に開催されました第48回日本医学教育学会大会開催運営の成功などに表れ、教職協働によるものです。

 今後も5つの教学改革方針に基づき教育・研究改革を進め、学生、教職員や保護者等のステークホルダーの皆様とともに世界有数の医療系総合大学を築いてまいります。

 大阪医科大学
学長 大槻 勝紀