プログラム

講習会プログラム 技術講習会(WetLab)
2012年8月1日(水) 9:30~12:15
A:染める!―免疫染色法の基礎と応用―
2012年8月1日(水) 13:30~15:30
B:染める!―in situ hybridizationの基礎と応用―
2012年8月1日(水) 15:45~17:25
C:挑戦する!―組織細胞化学の新しい領域 再生医療―
2012年8月2日(木) 9:30~11:30
D:見る!―顕微鏡の基礎から最新のイメージング技術―
2012年8月2日(木) 13:00~15:00
E:見る!―電子顕微鏡の基礎と応用―
2012年8月2日(木) 15:15~16:45
F:解析する!―データを評価するための技術―


免疫染色のための固定試料作製法;凍結技法の意義
大野伸一(山梨大学大学院 医学工学総合研究部 解剖分子組織学教室)

 組織細胞化学法は、蛋白・糖質・脂質などの局在とその分子機能を組織切片上でとらえるために、生きた動物臓器で速やかに生体内物質を保存して、移動と流出をできるだけ最小限として(固定)、その後に免疫染色等で可視化する方法です。しかし、動的細胞組織内分子の局在や構造変化を検討する際、これら観察標本試料が動物臓器の生体内機能状態を反映しているかを考えると、適切な細胞組織固定と試料作製法の選択が重要と思われます。本講演では、とくに“凍結技法”の長所である(1)瞬時の細胞組織形態の保存、(2)可溶性物質局在の保存(凍結置換固定やレプリカ法との併用)、(3)“氷晶形成”による免疫染色性の増強を概説し、さらに“生体内凍結技法”や“クライオ生検法”による血行動態が維持された動物臓器細胞組織の機能的形態像や生理的機能分子局在の解析応用を供覧します。

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基礎からの免疫染色術
―いかに確実に染め出すか―
鴨志田伸吾(神戸大学大学院 保健学研究科 病態解析学領域)

 抗原性賦活化法の発明によって、凍結切片よりもパラフィン切片の方がはるかに多くの抗原を検出しやすい時代になりました。しかしながら、再現性の高い免疫染色技術の普及が完了したとは言えません。この講習では、ホルマリン固定パラフィン切片、アルコール固定細胞塗抹標本の両面から、初めて入手した抗体を使って確実かつ特異的に抗原を検出するためのノウハウについて、わかりやすく解説します。具体的には、一次抗体の選び方(ポリクローナル抗体とモノクローナル抗体など)、抗原性賦活化(加熱処理と蛋白分解酵素処理)、検出系の原理と選択(2ステップポリマー法、3ステップポリマー法および超高感度増感システム)、染色の特異性確認などについて解説する予定です。

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実験動物における免疫組織化学染色
川井健司(実験動物中央研究所 病理解析センター)

 動物を使った実験というのは、医学の研究者および新薬の開発を目指す研究者にとっても欠かせないものであり、その実験の素材となるのが「実験動物」である。実験動物の中でもマウスやラットは、個体が小さく繁殖効率が良好であり、遺伝子背景が解析されている点から実験動物として適材といえる。近年では、さまざまな研究分野における遺伝子操作動物または遺伝子改変動物としてトランスジェニックマウスなどが作製され、これらによる遺伝子レベルでの発現・機能解析も著しい進捗が見られるが、最終的に、組織・細胞レベルでの発現蛋白を証明する免疫組織化学染色は重要な手法であることに異論はない。今回は「実験動物」、とくにマウス組織を対象とした免疫組織化学染色についての若干の使用経験を含め解説をする。

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免疫組織化学多重染色法
鈴木孝夫(昭和大学横浜市北部病院 病理部)
池田勝秀(国立がん研究センター中央病院 病理科・臨床検査科)
柳田絵美衣(神戸大学医学部付属病院 病理部)

 免疫組織化学多重染色は同一切片上で複数の抗原を同時検出することによりその相互関係を詳細に観察することが出来る非常に有用な方法である。本講演では、先ず多重染色の基本となる異種動物由来の一次抗体を用いた酵素抗体法二重染色の原理・手技を解説し、その簡便かつ迅速な方法であるカクテル抗体を用いた多重染色を応用例(IgG4関連疾患におけるIgG4/IgG、肺原発腺癌と扁平上皮癌の鑑別など)を示しながら紹介する。また同種動物由来の一次抗体でも検出可能な加熱処理を用いた酵素抗体法多重染色、さらに蛍光抗体法多重染色について種々の炎症性・腫瘍性疾患における染色例を提示しつつ解説する。

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免疫染色の技術的工夫
―落とし穴とトラブルシューティング―
堤寛(藤田保健衛生大学 医学部 病理学教室)

 免疫染色は方法論的にはすでに確立されており、染色技術そのものの難しさは解消された。「染めました、染まりました」の時代は過ぎ去り、現在では適切なアーチファクト対策、トラブルシューティングが要求されている。ここでは、免疫染色の技術的な工夫とともに、検体処理・染色技法・染色結果の判定にまつわるさまざまな「落とし穴」を記述する。
①1枚の標本を免疫染色する、②二重染色の工夫、③ホルマリン固定の影響、④パラフィン切片利用の可能性と限界、⑤内因性物質の除去(ペルオキシダーゼ、ビオチン、protein A、色素性物質)、⑥切片の乾燥の影響、⑦切りおき切片における抗原性減弱、⑧パラフィン切片の伸展温度の影響、⑨高感度技法の落とし穴、⑩抗原性賦活化法の落とし穴、⑪抗体の失活、⑫背景染色を下げる、⑬偽陽性と擬陽性、⑭免疫染色の特異性判定のコツ、⑮予想外の結果が得られたとき。

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In situ ハイブリダイゼーションの原理と基礎
遠藤大輔(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 生命医科学講座 組織細胞生物学分野)

 In situ ハイブリダイゼーション (ISH) 法は細胞標本、あるいは組織切片上で特定の塩基配列を持つ DNA 並びに RNA の局在を証明する方法として医学、生物学の研究領域に於いて必須な技術となっている。また、ポストゲノム時代に入り多くの非コード RNA が発見されているが、これらの RNA は免疫組織化学的な手法では検出できず、今後この手法の重要性はより高まっていくと考えられる。本講習会ではISH の原理について詳しく述べることにより、実際に ISH 法を行う際に考慮するべき点について概説する。また、それらを踏まえ非放射性標識プローブを用いた mRNA 検出法について解説し、その応用と結果の解釈、トラブルの解決法にも触れる。

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誰でも出来るパラフィン切片を用いた高感度ISH法
佐藤雄一(北里大学 医療衛生学部 臨床検査学教室)

 当研究室では、以前より病理診断用のホルマリン固定・パラフィン切片を用いて目的のウイルスDNA, RNAの有無や目的遺伝子のmRNA発現の程度、局在をin situ hybridization (ISH) 法で同定してきた。また、我々の持つ技術は論文による報告は勿論のこと、日本組織細胞化学会での組織細胞化学講習会の講師やWet Lab、日本病理学会での技術講習会、そして当大学での公開講座等を通じて広く公開してきている。さらに、多くの大学の研究者が実際のISH法の習得を目的に当研究室を訪ねており、その成果を報告してきている。今回は、病理長期保存材料を用い、発現量の少ない遺伝子のmRNA発現を対象にcRNAプローブを使用し、ビオチン化タイラミドで増感する高感度ISH法について、ビオチン化タイラミドの作製法、プローブの簡単作製法を含めた試薬の作製法からISH法のコツ、必要な実験環境等について、分かりやすく解説する。

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FISHとSKY:基礎と応用
谷脇雅史(京都府立医科大学 血液・腫瘍内科学教室)

 蛍光in situ hybridization(FISH)法は、染色体遺伝子診断と腫瘍の分子病態解析に欠かせない。2種類のプローブを異なる蛍光色素で標識すると、遺伝子再構成をシグナルの融合や分離として検出できることから、捺印標本や組織切片を用いた診断にも応用されている、一方、SKY (spectral karyotyping) 法では、FITC, Rhodamine, Texas Red, Cy5, Cy5.5を標識したヌクレオチドでプローブを作成し、その混合の種類と比を変えることによって特異的色調で全ての染色体を識別する。ペインティングプローブを用いるので、感度は1個の染色体バンドの変化である(800バンドで3Mb,500バンドで5Mb)。SKYで検出した染色体転座の切断点を、高密度オリゴヌクレオチド解析で得られたゲノムコピー数変化の境界領域と対比させると、候補遺伝子を迅速に同定できる。
本講演では、FISHとSKYの基礎と応用について概説する。

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蛍光免疫染色法とFISH法の同時解析法
中村麻子(大阪医科大学 医学部 生命科学講座 解剖学教室)

 蛍光免疫染色法は目的とするタンパク質の細胞内での局在を明確にする方法として広く利用されているが、最近では蛍光プローブや蛍光顕微鏡の技術開発向上などに伴い、単に局在を明確にするだけではなく、タンパク質間の相互作用や目的タンパク質の細胞内動態までも明らかにすることができるツールとなってきている。またDNA-FISH法も目的とする遺伝子の細胞内局在や、そのコピー数の変化などを解析する重要なツールである。しかしながら、免疫染色法とFISH法を同時に行うことは、お互いの目的とする物質が異なることからも(タンパク質と核酸)、難しいとされている。そこで、本講習会では免疫染色法とFISH法を同時に同じ標本上で行う技術について紹介する。

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未来の再生医療としての臓器置換再生医療の実現を目指して
-歯や毛包の器官再生をモデルとして-
辻孝(東京理科大学 総合研究機構)

 次世代の再生医療として、疾患や傷害を受けた器官を生体外で細胞操作によって再生した器官と置換する再生医療が期待されている。私たちは、人為的な細胞操作により単一化上皮、間葉細胞から器官原基を再生して生体内で発生させることを戦略とし、歯や毛包をモデルに研究を進めている。これまでに、三次元的な細胞操作による器官原基再生技術の開発をはじめ(Nature Methods, 2007)、再生歯胚を成体マウスの歯の喪失部位へ移植して歯が萌出し、咬合や骨のリモデリング、神経機能など機能的な再生が可能であることを示した(PNAS, 2009)。さらに再生歯胚を発生させた完成物としての再生歯ユニット移植による機能的な再生も示した(PLoS ONE, 2011)。
本講習会では、私たちの成果を中心に、歯や毛包器官の再生医療に向けた技術開発の現状と展開について解説したい。

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細胞シートによる心筋再生医療
清水達也(東京女子医科大学 先端生命医科学研究所)

 近年、従来の薬物・外科的治療では根治できない難治性疾患、組織・臓器の傷害や欠損に対する新たな治療法として「再生医療」が世界的に注目され、その技術開発の進行・発展はめざましく、各領域で臨床応用が開始、多くの疾患に対する新たな治療法として注目されている。
 第一世代の再生医療法としては細胞浮遊液を不全組織内に注入することにより、組織を再生させる治療法が臨床応用され、第二世代においては、ティッシュエンジニアリングの技術により細胞を組織として移植することで、より効率的に細胞を移植し不全組織を再生させる方法が追究されている。
 一方、我々はシート状の細胞“細胞シート”を単層あるいは積層化して組織を作製し移植するという独自の概念(Cell-sheet-based tissue engineering)を提唱し、研究開発を進めてきた。これにより細胞密度が高くより効率的で再生能力の高い細胞シート治療が実現しており、独創的・革新的ティッシュエンジニアリング技術として世界的な注目を集め、角膜・食道・心臓疾患に対する再生治療の臨床および治験を世界に先駆けて開始している。
本講習会ではティッシュエンジニアリング技術による再生医療について解説する。

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再生医療の現状と課題 -培養軟骨開発の経験から-
菅原桂(株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング 研究開発部)

 近年,再生医療という言葉が新聞やテレビでも取り上げられるようになった。わが国で見出されたiPS細胞は,これまでの治療法では治すことが難しかった疾患においても,病因の解析や治療法の探索に希望を与えている。しかし,わが国は基礎研究では世界をリードしているものの,医療としての普及という面では残念ながら米欧やアジア諸国にも遅れを取っていると言わざるをえない。また,世界の状況を見ても,実用化されている技術は,培養皮膚や培養軟骨などの限られたものである。本発表では,今後,再生医療が技術としても,また医療としても発展していくためには,どのような課題があるかを明らかにしたい。そのことが,組織細胞化学と再生医療とが密接に関わっていく端緒となれば幸いである。

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genetic lineage tracing (細胞系譜解析法)を用いた臓器形成・維持機構の解析
川口義弥(京都大学 iPS細胞研究所 臨床応用研究部門 臓器形成誘導分野)

 胎生期における臓器形成機構や成体臓器維持における細胞の入れ替わり/幹・前駆細胞システムの理解には、注目した細胞の振る舞いを解析する事(細胞の運命追跡をする事)が重要である。分化によって細胞の性質がどのように変化しようとも、DNAは極めて正確な複製がなされて子孫となる細胞に受け継がれる事に着目すると、DNA上に“目印”をつける事が上記目的達成の上で極めて有効な方法である事は容易に理解して頂けると思われる。 本講では、Cre/loxPを用いたin vivo genetic lineage tracingの原理とその応用例として、膵臓発生における転写因子ptf1aの機能解明と成体肝臓・膵臓および腸管維持機構におけるSox9陽性細胞前駆細胞の機能に関してお話します。

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バイオイメージングで知っておきたい顕微鏡の基礎
鈴木健史(札幌医科大学  医療人育成センター  生物学教室)

 GFPなど蛍光タンパク質を使った生体分子標識技術が著しく発展し、細胞内で起きている生化学反応の現場を、実際に見て確認することが可能になってきました。これにともない、蛍光顕微鏡や共焦点レーザー顕微鏡を活用した研究が爆発的に増え、生化学や分子生物学分野などこれまで顕微鏡をほとんど使わなかった分野でも日常的に顕微鏡が使われるようになってきています。一方で、ユーザー各個人が顕微鏡の仕組みを十分に理解していないため、イメージングシステムの性能を十分に引き出せていないことも多くあるようです。
本講演では顕微鏡技術の基礎原理を解説し、バイオイメージングで蛍光顕微鏡や共焦点顕微鏡を使いこなすための基礎知識を紹介します。

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カルシウムイメージング:蛍光プローブによる細胞内濃度の測定
中張隆司(大阪医科大学 医学部 生命科学講座 生理学教室)

 近年の光学機器の発展により、様々な細胞内のイオン濃度変化の可視化が可能になってきた。特に細胞内Ca2+については、さまざまな蛍光プローブが提供されており広く利用されている。蛍光測定そのものは提供されている様々な画像解析システムを利用することにより比較的容易に測定できる。今回は、Ca2+を中心にして、蛍光測定の概略を紹介する。また、Ca2+以外にも様々な蛍光プローブが提供されており、H+(pH)、Cl-の蛍光測定についても紹介する。

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最新の光イメージング技術のがん研究への応用
今村健志(愛媛大学大学院医学系研究科 分子病態医学分野)

 ポストゲノム時代に突入した近代生命科学において、より包括的に生命機能を理解するためには、病理学で組織を固定して得られるスナップショット的な空間情報や培養細胞などの試験管内の情報だけでなく,実際に生体内で個々の細胞や生体分子が時間的・空間的にどのような動態をとり、機能するかを知る必要がある。特に、複雑ながんの病態解明には、生体でがん細胞やがん微小環境を時空間的かつ統合的に解析することが必須である。生物発光と蛍光の技術を利用した生体光イメージングは、生体内の細胞や分子の動態や機能を動物が生きたまま検出して画像化し、解析する方法である。近年、分子生物学の発展にともなって蛍光・発光プローブ作製技術が進歩し、さらには顕微鏡や検出機器の性能が飛躍的に向上したことで、生体光イメージングが新しい研究分野として確立されつつある。
本講演では、がん研究領域への生体光イメージングの応用について、最近のわれわれのデータを紹介し、光イメージング技術を用いた新たながん研究戦略の近未来の展望について討議したい。

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ImageJ を用いたデジタル画像解析の基礎
宮東昭彦(杏林大学 医学部 解剖学教室)

 顕微鏡写真は実験データの提示法として説得力がありますが、近年では写真を示すだけではなく、染色強度や陽性細胞数などを定量的に評価したり、多数の写真を統計学的に処理したりすることが増えています。これはデジタル画像解析の手法により、画像内の特徴情報を抽出して数値化することで可能になります。ここでは、無料で利用できる汎用画像解析ソフト ImageJ を用い、画像解析によりどのような情報が得られるのか、顕微鏡画像を対象に画像解析を行う上で必要となるテクニックの基本や、実際の研究で用いる上での注意点などについて解説します。

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電子顕微鏡の基礎と応用
伊藤裕子(大阪医科大学 医学部 生命科学講座 解剖学教室)

 電子顕微鏡というと、ハードルが高いと思う方が多いと思います。しかし、最近ではウルトラミクロトームを始めとして、電子顕微鏡もデジタル化しており、かなり研究のツールとして扱い易くなっています。本講演では、材料の固定から写真の作成まで、可能な限り簡単にした方法を講義します。また、透過型・走査型電顕でどんなことができるのか、研究のどんなところに取り入れたら良いかも示していきたいと思います。

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免疫電子顕微鏡法の基礎と応用
松崎利行(群馬大学大学院医学研究科 生体構造学分野)

 免疫電子顕微鏡法は、細胞レベル、細胞小器官レベルでの分子の局在を示す有用な方法である。今日では、いわゆる形態学を専門としない分野の研究者でもその必要性に迫られることが多いように思われる。免疫電子顕微鏡法といわれるとかなり難しいイメージがあるかもしれないが、本講演を通じて、それほど難しいものではないことを理解してもらえればと思う。免疫電子顕微鏡法では包埋前染色、包埋後染色、DAB発色、金コロイド標識などを必要に応じて使い分けるが、その基礎と応用について講演する。

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病理診断におけるレーザーマイクロダイセクション法の応用
―主に細胞診検体を対象とした診断・治療に関する医療情報の獲得―
根本則道(日本大学 医学部 病態病理学系病理学分野・板橋病院  病理診断科)

 レーザーマイクロダイセクション(laser assisted microdissection:LAMD)法は、検索対象とする特定の組織構築や細胞を均一な集団として切削・回収することを可能とした画期的な技法である。今日、LAMD法は遺伝子(DNA, RNA)解析は勿論のこと、個々の細胞機能を研究する上で必須なプロテオーム解析(プロテオクス)においてもきわめて有用な方法として広く受入れられている。一方、日常の病理診断においても、確定診断ならびに治療選択の決定における遺伝子解析や、さまざまなバイオマーカーの発現についての病理学的医療情報を求められる機会が増えつつある。このような背景において、細胞診検体はまさに医療情報に関する宝の山といえる。
本講習会では主として細胞診検体を対象としたLAMD法の応用の基本と実際について実例をあげて判り易く解説する。

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リアルタイムPCRの基礎と応用
白神博(ライフテクノロジーズジャパン株式会社)

 リアルタイムPCRは遺伝子発現解析のみならず、遺伝子領域におけるコピー数変異(CNV)やSNPタイピングなどのゲノム変異の検出など幅広い研究分野で利用されています。その反面、再現性良く良質な結果を得るためには、基礎原理の理解や実験手技上では考慮しなくてはいけない点がいくつかあります。例えば、サンプル調製に依存したPCRプライマー設計時の注意点、遺伝子発現解析での内在性コントロールの選択などがあります。また、応用面からはk-rasやEGFRなどの変異検出で1%以下の微量に存在する変異型を検出する方法やレーザーマイクロダイセクション等から回収した微量サンプルでの多数遺伝子の発現解析を行う手法等を紹介します。今回は基礎原理と実際の実験での注意点を含めて紹介をするとともに、今後の研究にも活用できるリアルタイムPCRの応用面もあわせて紹介いたします。

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遺伝子ノックアウトマウスの作製法
庫本高志(京都大学大学院 医学研究科附属動物実験施設)

 遺伝子ノックアウトマウスは、遺伝子の機能を生体レベルで解析するための重要なツールである。その作製方法は、大きく三段階に分けられる。第一はターゲッティングベクターの構築、次いで、胚性幹細胞 (ES細胞) での相同組換え、そして、キメラマウスの作出と系統化である。それぞれの段階で、分子生物学、細胞生物学、そして、生殖工学・遺伝学の知識と技術が要求される。
本講演では、遺伝子ノックアウトの作製原理を以上の段階に沿って解説する。

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第37回 組織細胞化学講習会
「組織細胞化学の挑戦ー臨床応用研究への飛躍ー」

開催期日

2012年8月1日(水)~8月3日(金)


会場

講習会
高槻市現代劇場中ホール
(大阪府高槻市)

技術講習会 WetLab
大阪医科大学キャンパス
(大阪府高槻市)


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