伊藤 裕子

リンパ系の分子形態学(リンパ球のアポトーシス、リンパ管の再生)

リンパ管の再生,新生のメカニズムについて,実験的に作製したマウス乳癌モデルを用いて研究しています。

1) マウス移植乳癌におけるリンパ行性転移のメカニズム(平成19-20, 22-24年度科研費)
由来は同じだが,リンパ節・肺にあまり転移しないマウス乳癌細胞株BJMC338と,これより発生して高率で転移するBJMC3879(両者とも本学実験動物センターの森本先生が確立)をBALBc マウスに移植して乳癌マウスモデルを作製した。BJMC3879はリンパ管内皮増殖因子(VEGF-C)の発現が強いためにリンパ管が多数形成され,リンパ行性転移の要因となっていると考えられた(Ito Y., et al. Lymphangiogenesis and Axillary Lymph Node Metastases Correlated with VEGF-C Expression in Two Immunocompetent Mouse Mammary Carcinoma Models. International Journal of Breast Cancer; .2011: 867152)。
下図はBJMC3879移植後8週の腫瘍に色素注入。

2) 移植マウス乳癌細胞が放出するmicrovesicles (MVs)は癌の転移を促進する(平成25-27年度科研費)
種々の細胞で細胞膜に包まれたmicrovesicles (MVs)(直径50-100nmのexosomesと,これより大きいshedding vesiclesに分類される)が細胞から細胞外に放出され,細胞間のコミュニュケーションツールとして使われると注目されています。リンパ管の再生,新生に関係する因子がMVsに含まれているのではないかと考え解析を進めています。
右図はBJMC3879より採集したMVsのSEM像。