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台北医学大学看護学部短期研修派遣 学生研修レポート


台北医学大学での研修について
(大掛 夏美さん) (派遣時3年生)

 今回の海外研修では医療についてだけではなく台北や台湾の歴史を学んだり、昔の街並みが残っている場所に訪れるなどの文化について触れる機会もありました。医療については台湾の保険制度や社会問題などを知ることで、日本と共通した問題についてはどのようなことが原因でどのような政策を行っているのかについて日本との差や共通点を考えることができで楽しかったです。最も印象に残った講義は合計特殊出生率の低下についての講義であり、この問題は日本、台湾、香港に共通している問題であったためより興味を持つことができました。また、鍼治療や漢方薬などの東洋医学についての講義は日本ではきちんと学ぶ機会がなかったため東洋医学に触れることができたことは医療にも文化的背景が影響していることを再認識できる機会になって良かったです。今回は講義の中で何人かの学生が実際に鍼治療を体験していて、その人たちの感想を聞くことができたことも東洋医学への興味につながりました。病院見学では私が日本で実習させていただいていたのと同じ大学病院という規模の病院に行かせてもらいました。そこではリスクマネジメントのシステムの違いや、実際に看護師が行うケアの違いを知りました。日本で学んでいて「看護師の仕事はこういうもの」と当たり前だと思っていた仕事がほかの国では看護師の仕事ではない場合もあるのだということを学びました。世界に共通した職業ではありますが、その国の文化も含まれて仕事が成り立っているということがわかりました。講義は全て英語で行われるため、たくさん英語に触れることができたのもよかったです。講義後には香港の学生と意見交換したり、放課後などに台湾の学生に台湾の医療について質問したり、講義からだけでなく学び取ることができたのもいい経験になりました。講義後に学生同士で意見交換をしているときに、日本では当たり前に行われている患者と目線を合わせる行動に対し「台湾と香港では患者と話すときに患者と目線を合わせるためにしゃがんだりしないし、ベッドサイドで話すときには看護師も椅子に座る」と言われたことがありました。看護師の振る舞いとして当たり前だと深く考えずにおこなっていたことが世界の常識ではなかったということにとても驚きました。このように決められた講義内容以外にも、自分の関わり方、学習への態度次第で別の気付きが得られるということを学びました。香港の学生はとても積極的で授業でもたくさん発言するため、そのような態度がとても刺激になりました。

 放課後や休日にはTMUの学生や日本の他大学の学生とともにご飯を食べに行ったり観光地を訪れたりしました。学生だけではなく、朝食屋さんの奥さんやホテルのオーナー、近隣の方やキャンパス内にいた患者さんが一人で台湾に来た私に優しく接してくださったことで、学校以外でも他者と関わることができたので嬉しかったです。一人で台湾に行った私にとって、こうやって仲良くしてくれる新しい友人や現地の方の存在は大きかったです。私が楽しく学ぶことができたのは周囲のおかげであることを強く感じ、日本での生活の中でもたくさんの人に支えられて生きているということを強く感じました。それと同時に今回の私の場合はたくさんの人と関わって友達になりたいということでしたが、自分の望むことがあるなら自分から主体的に行動するということが大切であるということを感じました。ほかの学生には同じ大学の友達がいるけど自分にはいないという環境は、初めの方は気軽に声を掛けられる相手がいなかった私にとってストレスの大きな状況でした。それでも積極的に前向きに行動し続けることで精神的に強くなれたように感じます。また、昨年大阪医科大学に交換留学生として来ていた学生が私の元を訪れてくれたり一緒に出かけてくれたりと、人と人とのつながりを強く感じることができました。言語に関しては台湾や香港の学生は中国語が全く分からない私のために飲食店などでは英語で通訳してくれたため皆といるときには困りませんでしたが、一人でコンビニに行ったときには店員さんの言っていることが全く理解できず、言葉がわからない人の気持ちを理解することができました。

 これらの経験から、まず医療については他国の治療や看護師の役割についての興味を持つことができました。もともと海外に興味がありましたが、他国での人々の生活や考え方、常識や文化などについてもっと知りたいという気持ちが強くなりました。そして学んだことは看護師としてだけでなく、これからの人とのかかわりの中で活かしていきたいです。また、東洋医学についての講義の中でエビデンスの解明はされていないため他国ではあまり行われていないが中国・台湾ではよく行われているという話を聞きました。漢方も日本で使われることもありますが、使用頻度は高くありません。そして日本の患者の中には漢方は効くかわからないから使わないでほしいという人もいます。それでも中国・台湾では伝統的な薬であり病棟内に漢方の部門があるほどです。人は生まれ育った国や環境により感じ方や考え方が変わってくると思うで、海外から来られた患者に対してはその人の文化にまで視野を広げて関わっていくことが大切であると感じました。自分にとっての当たり前が世間の当たり前ではないことを意識していきたいです。そして言語については海外から日本に来て医療を必要としているものの言葉がわからず強い不安を感じる患者の気持ちを知ることができたので、そのような患者の不安を少しでも減らせるような関わりができる看護師になりたいと思いました。そのためには今後も継続した言語学習が必要になりますが、今回経験したこと、感じたことを忘れずに励んでいきたいです。今回の研修は一人で参加したからこそ苦労したこと、しんどかったことはたくさんありましたが、それ以上に多くの経験から学んだこと、感じたことがありました。しんどかったことも含めて今回の研修は私の人生の財産です。

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