涙道・眼形成
       
      担当医
        植木 麻理(木曜日,土曜(奇数週))、三村 真士
       
      専門外来の概要
        涙道・眼形成外来は涙の排水管(涙道)やまぶた(眼瞼)の病気を治療するところです。涙道や眼瞼は眼球と別のところで直接視力には関係しないところですが、眼の機能を維持するために大切な役割を持っています。涙道がつまると涙目になり、ものがにじんで見にくくなったり、ハンカチで常に拭くために眼瞼がかぶれてきたりしますし、逆まつげではまつげによって異物感がでたり、眼に傷を付けたりすることもあります。眼瞼が下がってくると視界が狭くなったり、眼精疲労が出たりします。また、眼瞼下垂の中には重症筋無力症など内科の病気が隠れていることもあります。このような症状の方を適切に診断し、角膜や神経の専門家を相談しながら手術治療を行っているのが涙道・眼形成外来です。現在はまだ独立した外来はなく、火曜日・木曜日の一般診察の中で行っています。手術はほとんどが日帰り手術で対応可能であり、お気軽にご相談ください。
         
        <涙道疾患について>
        涙は眼球において表面を保護したり、栄養を供給する大切なものです。通常、涙腺から分泌された涙は眼表面を湿潤させ、眼瞼の内側(内眼角部)にある涙点から涙小管、涙嚢、鼻涙管を経て、鼻腔内に排出されます(下図)。目薬をさした後に苦いものが喉の方に流れてくるのはここを通って流れてきています。この働きが悪くなった場合に涙がこぼれる(流涙症)が起こってきます。また、涙の流れが悪くなった場合に涙嚢に細菌などが繁殖する涙嚢炎なども起こしてくることで、涙嚢部が腫張し疼痛が生じることがあります(涙嚢炎)。
         
           
          涙小管閉塞・鼻涙管閉塞・狭窄症
          涙道に閉塞や狭窄がおこるために流涙症が起こる病気。涙点から鼻腔にまで柔らかいチューブを挿入し、涙道を拡張し涙の流れを良くします。
           
          涙小管炎
          真菌(カビの一種)や放線菌などが繁殖し、できた菌塊によって涙道がつまってしまい、眼脂や発赤・腫張が起こる病気。涙小管内の菌塊を除去し、きれいにします。
           
          涙嚢炎
          鼻涙管が閉塞することにより涙の流れが悪くなり、涙嚢で細菌が繁殖する病気。放置すると化膿して眼瞼や顔面が腫れ上がってくることがあります。涙嚢と鼻腔の間にバイパスをつくる手術が必要になります。皮膚を切って行う鼻外法と鼻の中から内視鏡を用いて行う鼻内法があります。
           
        <眼瞼疾患について>
          眼瞼は眼球を保護したり、まつげは眼球にごみが入るのを防止しています。また、眼瞼はまばたきによって涙を眼球表面に供給・湿潤させ、鼻腔へと排出する役割をしています。眼瞼の形態に異常がでたり、まばたきが出来なくなると眼表面の涙の流れは悪くなり、眼球に傷が出来たり、流涙症が起こったりします。
           
          内反症
          眼瞼が内側に折れ込んでしまう病気。赤ちゃんや小児において眼瞼外側の組織が圧迫して起こるものと加齢によって眼瞼を引っ張る組織がたるむために起こってくるものがあり、眼瞼が内側に折れ込むとまつげが眼球にあたり、異物感や角膜に傷が出きてしまいます。症状が強い場合には手術の適応になります。手術は小児の場合は1mmの皮膚切開を2〜3カ所行い、眼瞼に通糸し二重瞼を作ります。加齢性の場合には眼瞼を切開し、たるんだ組織を縫い縮めることにより眼瞼を元の位置に戻るようにします。
           
          外反症
          眼瞼が外側にひっくり返ってしまう病気。眼瞼を支える組織がたるむことでおこってくる加齢性、眼瞼を閉じる顔面神経の麻痺によって起こってくる麻痺性、火傷や怪我などで短縮して起こってくる瘢痕性があります。眼瞼が閉じにくくなるために流涙や眼球表面が乾燥し疼痛が出現したり、傷が出来て感染を起こしたりすることがあります。症状が場合には加齢性、麻痺性ではたるみを矯正する手術を行いますが、瘢痕性では瘢痕の除去やひどい場合には皮膚移植が必要になることもあります。
           
          眼瞼下垂
          眼瞼が下がる病気。先天的に眼瞼を挙げる筋肉が弱い、神経麻痺がある場合と加齢により眼瞼を挙げる筋肉が弱ってくるものがあります。コンタクトレンズの長期装用、アトピー性皮膚炎など眼瞼に常時刺激がある場合や白内障などの眼球手術によって発症する場合もあります。重症筋無力症という神経と筋肉の連絡が悪くなる疾患でも起こってきます。先天性の場合にはひとみ(瞳孔)にかかって視力の発達障害を起こす場合には手術が必要になります。加齢性などの場合には気がつかない間に下垂した眼瞼のために顎を挙げたり、眉毛をあげることで眼瞼を引き上げたりしています。これは眼精疲労、肩こり、頭痛の原因になりますし、美容上にも問題となってきます。そのような場合にはたるんだ筋肉を縫い縮める手術を行います。
         
             
             
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