ご挨拶
循環器

 臨床に関しては大阪医科大学小児科循環器グループでは、小児循環器領域すべての診療を行っています。

 1. 先天性心疾患
 2. 胎児診断
 3. 不整脈
 4. 成人先天性心疾患
 5. 後天性心疾患:川崎病、心筋炎、心筋症

  1. 先天性心疾患に関しては心臓血管外科医との連携を大切にし、術前術後のディスカッションは欠かしません。当院の特色としては、心臓血管外科・麻酔科はもちろんのこと、他科及び他種職との連携が迅速かつ密に行えるところです。毎週行っているカンファレンスも小児循環器グループ、心臓血管外科、麻酔科、病棟看護師、ICU看護師、NICU看護師、手術室看護師、臨床工学技士が参加しています。小児科の他のグループとの連携も同様です。新生児グループには、新生児期の全身管理や先天性心疾患合併の超低出生体重児・極低出生体重児の管理を、神経グループには、周術期の中枢神経合併症の管理や、長期の発達のフォローを、腎臓グループには、周術期の透析・血漿交換など血液浄化療法を、消化器グループには、フォンタン術後の肝線維症の管理などを連携性して行っています。従って、心疾患に限らず、患児のトータルケアが可能となっております。さらに、患児の家族のサポートも充実しており、リエゾン精神看護の専門看護師に介入していただき、患児家族の背景も把握し診療にあたっております。また院外においては、関西医科大学小児科循環器グループ・新生児グループと連携して診療しています。手術症例を紹介していただき、退院後の管理は同大学にお願いするという診療体制で、その為に月1回の合同カンファレンスを行っています。
    先天性心疾患に携わる我々小児科循環器医師の役割としては、診断をより正確に細かく行うこと、その為にも検査はqualityの高いものにして正確な評価を行うこと、術前の状態をよりよい状態に保ち、最適の手術時期・方法を外科医に提案することが大切だと考えています。年間症例数は少ないですが、1人1人の患者さんを大切に診療させていただいています。

  2. 胎児診断に関しては、産科医師と協力し合って先天性心疾患に対する出生前診断に力を入れています。疾患が重症であればあるほど、出生前診断が重要です。我々は出生前から正確な先天性心奇形の診断を行い、より良い状態で出産、手術に臨むことが大切と考えています。2015年度より日本胎児心臓病学会の専門施設にもなりました。

  3. 不整脈の診療にも力を入れています。学校検診による不整脈の検出・管理、遺伝性不整脈の管理をはじめ、様々な不整脈に対応しています。当グループは全国で10数施設しか行っていない、小児におけるカテーテルアブレーションを随時行っています。3次元マッピングシステム(CARTO3・EnSite Velocity)を活用し、上室性頻拍・心室頻拍など先天性心疾患のない患者様の不整脈のみではなく、先天性心疾患に合併した複雑な不整脈に対する難しいカテーテルアブレーションも可能になりました。WPW症候群や房室結節回帰性頻拍では95%前後の成功率となっています。また、徐脈性不整脈に対しては、心臓血管外科と連携し、ペースメーカー植え込みを行っております。

  4. 成人先天性心疾患
    循環器内科、心臓血管外科と連携し診療にあたっております。当院の特色としては、積極的に循環器内科の医師が成人先天性心疾患の診療に携わっているところです。それぞれの得意とする分野の知識を融合させ、患者様それぞれに即した治療を心がけております。今後、循環器内科と共に、成人先天性心疾患外来を立ち上げようと考えています。

  5. 後天性心疾患でよく見かける川崎病はもちろんのこと、心筋炎や心筋症による心不全の治療も行っています。特に劇症型心筋炎や心不全の急性増悪の症例に対しては、心臓血管外科医や麻酔科医、臨床工学士の協力のもと、いつでも膜型人工肺体外循環(ECMO)を装着することが可能です。
実績

 みんな日本でトップレベルの施設に国内留学し、3年以上の修行を積んだ医師が集まっています。各々の施設で学んだことを、次は自分たちで力を合わせて実践し、よりより医療を目指して頑張っています。

臨床実績(すべてのべ件数)
外来患者数

2011年:1240例


2012年:例

入院症例数 

2011年:155例


2012年:125例

心エコー

2011年:1272例


2012年:1214例

トレッドミル

2011年:14例


2012年:13例

ホルター心電図

2011年:102例


2012年:110例

胎児心エコー

2011年:27例

心臓カテーテル検査

2011年:44例(うちカテーテル治療3例)


2012年:41例(うちカテーテル治療7例)

カテーテルアブレーション

2012年:13例 (成功率 92%)

現在までの留学先
  • 国内留学先
    東京女子医科大学 循環器小児科
    長野県立こども病院 循環器小児科
    大阪市立総合医療センター 小児不整脈科
  • 国外留学先
    トロント小児病院
実績

研究に関しては、我々のグループでは臨床研究、基礎研究どちらも行っています。
臨床研究では以下の実績があります。

  • FMD (flow mediated dilatation)を用いた血管内皮機能障害に対する検討
     肥満児や川崎病患児、また腎疾患患児の血管内皮機能を血管エコーを用いて検討してきました。どのような子供たちに血管内皮障害が引き起こされるのか、それを改善するにはどうすればよいのかを研究しています。

    Mori Y. Clin Pediatr Endocrinol 2003;12; 43-48
    小児期の血流依存性血管拡張反応に関する測定方法の標準化と基準値の検討 早期動脈硬化の評価のために 肥満研究 2011; 17(1): 49-53
  • 心筋ストレインを用いた心筋障害に関する検討
    2D speckle trackingという方法を用いて、心筋ストレイン(心筋の伸び縮み)、ストレインレート(伸び縮みする速度)、torsion(心筋のねじれ)などを評価することによって、川崎病急性期の心機能障害や心筋症、心筋炎、薬剤性心筋障害に対する臨床研究を行っています。2011年には心エコー図学会にて、奥村医師がYIA優秀賞を受賞しました。

    免疫グロブリン療法が川崎病急性期の心筋局所ストレインに及ぼす影響
    奥村謙一、岸勘太、森保彦、玉井浩

基礎研究は、メンバーの多くが本学薬理学教室で基礎研究を学び学位を取得してきました。
現在も薬理学教室と共同で研究をさせてもらっています。本学の薬理学教室はレニンアンジオテンシン系とキマーゼの研究に関して、世界でもトップレベルの実績を持ち、最近ではマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)との関わりにも注目し、多くの疾患を対象に新たな治療法の開発に力を注いでいます。我々のメンバーが今まで対象にしてきた疾患は薬剤性心筋障害、肺高血圧、動脈瘤、冠動脈瘤などです。成人では研究が進んでいることも小児の分野ではまだまだ未知の部分が多いので、対象疾患を増やして研究を続けており、大変やりがいがあります。

論文

  • Okumura K, Jin D, Takai S, Miyazaki M. Jpn J Pharmacol. 2002;88:183-8.
    Beneficial effects of angiotensin-converting enzyme inhibition in
    adriamycin-induced cardiomyopathy in hamsters.
    Okumura K, Tkai S, Muramatsu M, Katayama S, Sakaguchi M, Kishi K,
    Jin D, Miyazaki M. Clin.Chim.Acta. 2004;357:223-5
    Human chymase degrades human fibronectin.
  • Kishi K, Jin D, Takai S, Muramatsu M, Katayama H, Miyazaki M
    Pediatr Res.2006;60:77-82
    Role of chymase-dependent angiotensin II formation in monocrotaline-induced
    pulmlnary hypertensive rats.
  • Kishi K, Muramatsu M, Jin D, Furubayashi K, Takai S, Tamai H, Miyazaki M
    Hypertens Res. 2007 30:77-83
    The effects of chymase on matrix metalloproteinase-2 activation in neointimal
    hyperplasia after balloon injury in dogs.
  • Inoue N, Muramatsu M, Jin D, Takai S, Hayashi T, Katayama H, Kitaura Y,
    Tamai H, Miyazaki M. Atherosclerosis. 2009;204:359-364
    Effects of chymase inhibitor on angiotensin II-induced abdominal aortic
    aneurysm development in apolipoprotein E-deficient mice.
  • Inoue N, Muramatsu M, Jin D, Takai S, Hayashi T, Katayama H, Kitaura Y,
    Tamai H, Miyazaki M. J Atheroscler Thromb. 2009;16:164-171
    Involvement of vascular angiotensin II-forming enzymes in the progression of
    aortic abdominal aneurysms in angiotensin II-infused ApoE-deficient mice.
  • Inoue N, Taka S, Jin D, Okumura K, Okamoto N, Kajiura M, Yoshikawa S,
    Kawamura N, Tamai H, Miyazaki M. ClinChim Acta. 2010;411:267-269
    Effect of angiotensin-converting enzyme inhibitor on matrix
    metalloproteinase-9 activity in patients with Kawasaki disease.
  • Coronary artery size in Kawasaki disease: Echocardiographic definition. 
    Katayama H Acta Paediatr 91 499-500 2002
  • Three-dimensional magnetic resonance angiography of vascular lesions in children Katayama H, Shimizu T, Tanaka Y, Narabayashi I, Tamai H Heart Vessels 15 1-6 2000
  • Pulmonary blood flow profiles with reduced right ventricular function in lambs.
    Blood flow velocity profiles in pulmonary branch arteries in lambs. Katayama H, Henry GW, Krzeski R, Lucas CL, Ha B, Ferreiro JI Heart Vessels 11 57-63  1996
  • Blood flow velocity profiles in pulmonary branch arteries in lambs. Katayama H, Henry GW, Lucas CL, Ha B, Ferreiro JI, Frantz EG J Biomech Eng 117 237-241 1995
  • Induction of right ventricular hypertrophy with obstructing balloon catheter. Nonsurgical preparation for the arterial switch operation in simple transposition. Katayama H, Krzeski R, Frantz EG, Ferreiro JI, Lucas CL, Ha B, Henry GW Circulation 88(Part 1) 1765-1769 1993
  • Three-dimensional visualization of pulmonary blood flow velocity profiles in lambs. Katayama H, Henry GW, Lucas CL, Ha B, Ferreiro JI, Frantz EG, Krzeski R  Jpn Heart J  33 95-111 1992
おもなスタッフ
大学:片山 博視

1983年 大阪医科大学卒業
1983年 大阪医科大学小児科学教室
1985-1993年 東京女子医科大学循環器小児科
1990-1992年 米国North Carolina大学小児科に留学
1993-2007年 大阪医科大学
2007-2010年 博喜会片山医院
2010-2012年 済生会吹田病院小児科部長
2011-2012年 大阪医科大学臨床教育教授兼任
2012-現在  大阪医科大学小児科講師


日本小児科学会認定専門医
日本小児循環器学会認定専門医
日本小児循環器学会暫定指導医
日本超音波医学会認定専門医
日本超音波医学会認定指導医


日本小児循環器学会 評議員
日本心エコー図学会 評議員(2004年4月23日〜2008年4月27日)
日本心臓病学会 特別正会員(FJCC)(2006年9月25日〜現在)

東京女子医科大学循環器小児科 非常勤講師(平成15年4月〜)

第15回近畿小児循環器HOT研究会 会長(大阪)2002.12.21
第10回関西小児心筋症研究会 会長(高槻)2000.12.2
第18回日本小児心機能血行動態研究会 会長(高槻)1998.10.17


平成4年 アメリカ心臓協会(AHA)Cournand & Comroe Young Investigator Awardのファイナリスト

大学:岸 勘太

平成11年 大阪医科大学卒業
平成15年 大阪医科大学薬理学教室大学院
平成17年 東京女子医科大学循環器小児科
平成20年 大阪医科大学小児科


資格:小児科専門医


所属学会:
  日本小児科学会
  日本小児循環器学会
  日本Pediatric Interventional Cardiology学会
  日本循環器学会
  日本小児心筋疾患学会

大学:尾崎 智康

平成12年 大阪医科大学卒業
平成17年 大阪医科大学小児科大学院
平成20年 和歌山赤十字病院小児科
平成21年 大阪市立総合医療センター小児不整脈科
平成23年 大阪医科大学小児科


資格:小児科専門医


所属学会:日本小児科学会
  日本小児循環器学会 評議員
  日本不整脈学会
  日本小児心電学研究会
  日本心電学会
  日本循環器学会

大学:小田中 豊

平成18年 大阪医科大学卒業
平成?年 市立枚方市民病院
平成24年 長野県立こども病院


資格:小児科専門医


所属学会:日本小児科学会
  日本小児循環器学会
  日本循環器学会
  日本超音波学会
  日本心エコー図学会
  日本胎児心臓病学会
  日本Pediatric Interventional Cardiology学会
  日本小児循環動態研究会
  日本川崎病学会

関連病院:清水 達雄
(北摂総合病院)

昭和51年 大阪医科大学卒業
現在、北摂総合病院小児科部長


資格:
  小児科専門医
  小児循環器学会専門医
  日本循環器学会専門医

蘆田 温子 平成21年 岩手医科大学卒業
現在、東京女子医科大学循環器小児科で修業中