放射線治療科の研究。大阪医科大学放射線医学教室

治療部門の研究

放射線治療科の研究実績

現在進行中の研究

倫理委員会で承認され、現在進行中の研究です。

詳細な内容は患者様向け公開文書をご参照下さい(Word文書)。            
研究題名患者様向け
公開文書
1 前立腺癌に対する外照射を併用した高線量率組織内照射療法の多施設共同遡及的観察研究文書
2 短期照射法による乳房温存術後放射線治療の当院での治療成績および有害事象に関する観察研究文書
3 平成27・28年度日本放射線腫瘍学会研究課題:oligometastases状態の転移性肺腫瘍に対する体幹部定位放射線治療の全国遡及的調査研究文書


中枢神経系腫瘍

定位放射線照射に関係した研究が主体で照射はガンマナイフのリニアック版で行っています。1998年から開始して2012年までに500例以上に照射を行ってきました。

病巣の大きさと治療個数を分析した結果、大きさ3cm以下で4-5個までが治療可能との結論に達しております。治療対象症例の60% が転移性脳腫瘍で転移性脳腫瘍の3分の2が肺原発です。頭蓋外病変が制御されていれば約2年間の中間生存期間を得ています。

全国トライアルに参加し、1-4個の転移では定位放射線照射に全脳照射を加えても生存率の改善は得られなかった。しかし、脳再発率は低減したという結果を得ています。

  中枢神経系腫瘍研究実績
1 消化器原発癌脳転移に対する定位放射線照射
2 乳癌脳転移に対する定位放射線照射の役割
3 脳定位放射線照射における骨盤部被曝線量の検討
4 肺癌脳転移にたいする定位放射線照射の有用性
5 定位手術的照射(SRS)後に晩期有害事象をきたした症例の検討
6 転移性脳腫瘍に対する定位放射線照射ーRPA class 2の細分化ー
7 髄膜腫に対する定位放射線照射の治療成績
8 脳転移に対する定位放射線照射定期的検索による脳転移早期発見・治療が予後に与える影響

等を発表しています。 神経膠芽腫の術後照射への応用も脳神経外科と連携して進めており、新たな展開が今後も期待されます。


頭頚部腫瘍

頭頸部腫瘍の多くは放射線感受性の高い扁平上皮癌であり、放射線治療の適応が多い領域です。治療途中で3-4度にわたる照射法の変更をこまめに行い、局所制御率の向上と有害事象の低減を図っています。これまでに喉頭癌、上・中・下咽頭癌、上顎癌、舌癌等の放射線治療成績を分析してきました。早期癌では80-90%の5年生存率を得ています。

  頭頚部腫瘍研究実績
1 原発不明頸部リンパ節転移癌の放射線療法の治療成績
2 0-II期の早期喉頭癌の放射線治療成績
3 唾液腺癌の放射線治療成績
4 上咽頭癌等に対するIMRT
5 下咽頭癌の治療成績
6 上咽頭癌の放射線療法の治療成績
7 中咽頭領域に高線量率組織内照射を行う場合の治療計画の問題点
8 臼後三角部に浸潤する口腔癌に対する高線量率組織内照射
9 高線量率組織内照射単独療法を行った可動舌癌の治療成績

等を発表しています。


乳腺腫瘍

早期乳癌に対する乳房温存療法が日本でもようやく欧米並みに約60%の普及率となりました。乳房温存手術をした後の接線照射が治療の中心となりますが、乳房・胸壁は体格の個人差が著しく、均一に照射することが非常に難しい領域です。また肺や心臓の一部へも放射線が照射されますのでこれらの照射正常臓器に対する検討も必要です。

基本的に予後の良好な患者さんを対象としますので、急性有害事象に加えて晩期有害事象に対する配慮が重要になります。これらの問題をクリアしていかに局所再発率を少なくするかが研究の主眼です。また、乳房温存療法は多くの施設で広く行われますので、一部の施設でしか行えない方法では意味がありません。これらを従来の方法論から逸脱しない方法で実現しなければなりません。

これまでに均一な線量分布を実現するための簡便な方法の開発・提唱をおこない、心臓・肺に対して影響を最小限にとどめる最大肺照射厚を求め(2.5cm以下)、5年再発率は3%弱であることを示してきました。

また、日本では25回5週間の治療期間をカナダやヨーロッパ諸国の一部で行われている16回3週間強で終了する短期照射法の安全性を確認し提唱しています。また従来、乳房温存療法は局所切除術と放射線治療を行うことが前提でしたが、放射線治療が不要である患者群の完全な層別化は未だ実現していません。
今後の研究の焦点は放射線治療の必要な患者の層別化にしぼられるものと予想しています。

  乳腺腫瘍研究実績
1 乳房温存療法の接線照射において均一な線量分布を得るための線量基準点の最適化
2 乳房温存療法の接線照射における心臓への被曝容積・線量
3 乳房温存療法における乳房胸壁に対する接線照射による肺の照射線量・容積と晩期有害事象
4 乳房温存療法の放射線短期照射法による急性期皮膚有害事象の経時的評価
5 乳房温存療法の通常照射法と短期照射法における患者の自覚症状に基づく有害事象の比較
6 乳癌術後の短期照射放射線治療による放射線皮膚炎の評価法に関する検討
7 乳房温存療法の接線照射前後における乳房・胸壁の変化
8 乳房温存療法の短期照射法による 急性皮膚反応の写真での一括評価法の有用性
9 加速乳房部分照射の最新の成績
10 乳癌に対する術後小線源治療
11 乳房温存術後の高線量率組織内照射単独療法
12 35歳以上の乳房温存術後組織内照射
13 組織内照射による加速乳房部分照射(APBI)の多施設臨床試験における治療技術の均てん化の試み
14 乳癌における小線源治療(APBI)

等を発表しています。


呼吸器系腫瘍

主に肺癌に対する化学放射線治療、定位放射線治療を行っています。放射線肺障害抑制のための基礎的研究にも取り組んでいます。

  呼吸器系腫瘍研究実績
1 非小細胞肺癌に対する根治的放射線単独による治療成績
2 非小細胞肺癌に対する根治的放射線単独の治療成績と有害事象
3 非小細胞肺癌に対する体幹部定位放射線治療(SBRT)
4 好中球エラスターゼ阻害剤による放射線肺障害の抑制効果

等を発表しています。


消化器系腫瘍

主に食道癌に対する放射線治療や下部進行直腸がんに対して局所再発の減少、肛門温存率の向上を目的とした手術前の放射線治療、肛門癌に対する放射線治療を行っています。特に下部直腸癌に対する術前放射線化学療法は外科と連携し多数の治療実績があります。

  消化器系腫瘍研究実績
1 食道癌に対する根治的放射線治療成績
2 下部直腸癌に対する術前化学放射線治療成績
3 下部直腸癌に対する術前放射線化学療法の効果
4 下部進行直腸癌術前放射線化学療法の治療効果判定におけるFDG-PET/CTの有用性
5 下部進行直腸癌に対する術前化学放射線療法の効果判定でFDG-PET/CTは
大腸内視鏡よりも病理効果判定を予測する

等を発表しています。


泌尿器系腫瘍

本邦では特に前立腺癌の増加率が著しく、欧米並みに罹患率が1位となるのは時間の問題とされています。PSAは前立腺癌に対する極めて鋭敏なバイオマーカーであり、癌を早期に発見できる機会が大変多くなっています。

前立腺癌は放射線抵抗性の癌で制御には外照射で少なくとも70 Gy以上が必要です。そのために従来の外照射では直腸障害が大きな問題となっていました。しかし、IMRTでは直腸への線量を大幅に低減することが出来ますので、治療効果を損なうことなく直腸障害を非常に少なくすることが可能となりました。組織内照射は前立腺に限局してさらに多くの放射線を照射することが出来るので、限局性前立腺癌の治療に威力を発揮しています。ヨード125を線源を永久に留置する永久刺入治療とイリジウム192を用いて線源を一時的に留置する一時刺入治療とがあります。大阪医大では低危険度の癌には永久刺入治療を、中・高危険度の癌には一時刺入治療を行っています。永久刺入治療は短期間(3日)で治療を完遂できる利点が、一時刺入治療はより広い領域に確実に放射線を照射することができる長所があります。

浸潤性膀胱癌に対して膀胱全摘出術をすることなく大阪医大式膀胱温存療法;バルーン塞栓動脈内抗癌剤投与併用放射線治療を泌尿器科と共に行っています。これまでに160例以上の患者様に施行し従来の膀胱全摘出術よりも高い治療成績が得られています。

  泌尿器系腫瘍研究実績
1 前立腺癌組織内照射後のPSAの上昇 - PSA bounceかPSA recurrenceか -
2 前立腺癌に対する外照射・高線量率組織内照射併用による治療成績と有害事象
3 前立腺癌に対する外照射・高線量率組織内照射併用治療−有害事象を中心として−
4 前立腺癌の高線量率組織内照射における尿道線量と有害事象を考慮した照射線量の最適化
5 前立腺癌高線量率組織内照射における精嚢のDVH解析
6 前立腺癌高線量率組織内照射における治療期間中のアプリケータ偏位について
7 浸潤性膀胱癌に対するシスプラチン動脈内投与併用放射線治療の効果
8 浸潤性膀胱癌におけるシスプラチン動注併用放射線治療の成績

等を発表しています。特に前立腺癌の治療や膀胱癌に対する膀胱温存療法は泌尿器科と連携し多数の治療実績があります。


婦人科系腫瘍

婦人科腫瘍については、放射線単独でも治療を行いますが、手術や化学療法と組み合わせた治療も多く行っています。放射線治療が特に有効なのは子宮頚癌や膣癌で、手術をしないで臓器を温存しながら良好な成績を上げています。外部照射と小線源治療を組み合わせて治療をしますが、当院では協力病院と連携しながら小線源治療においていくつかの工夫をしています。

ひとつは、画像診断を駆使した画像誘導(Image-based)治療計画で、患部の中や周囲に留置した治療用の器具(アプリケータと呼んでいます。子宮や膣の中に置くだけのものや直接がんの中に刺すものなどがあります)をCTやMRIで撮影するものです。それにより、がんや周囲の正常組織の位置や範囲が正確に分かるようになり、より精密に治療することができるようになりました。

もうひとつは、組織内照射です。これは、がんの形に合わせてアプリケータを埋め込んでいきますので、放射線の当たり方もよりピンポイントなものになります。体に直接刺すことのリスクはありますが、標準とされている腔内照射では治癒が困難であった大きながんでも制御できる可能性があります(まだ患者さんの数は多くはありませんが、3期の子宮頚癌なら3年の段階で90%の方が子宮の病巣を制御できています)。

また、子宮頚癌や子宮体癌の方で、手術や放射線治療をしたあとに膣部に再発してしまうことがあります。そのような場合は再治療の成功は困難とされてきましたが、組織内照射を用いることで治癒可能な場合があります。たとえば、手術後の再発で放射線治療歴がない場合なら3年の段階で約70%の方が制御できています。

  婦人科系腫瘍研究実績
1 子宮頚癌に対する放射線治療後のイレウスの発生頻度の比較
2 婦人科疾患の診断と治療update 小線源治療−組織内照射−
3 子宮頸癌の小線源治療における新しい線量評価法と照射方法
4 子宮頸癌におけるImage based interstitial brachytherapyの試み
5 局所進行・再発子宮癌に対する高線量率組織内照射
6 新鮮子宮頸癌の画像誘導高線量率組織内照射の初期治療成績
7 術後局所再発子宮癌に対する高線量率組織内照射におけるアプリケータの偏位の検討
8 子宮頸癌の画像誘導小線源治療

等を発表しています。


酵素標的・増感放射線療法(KORTUC)

高知大学で開発された新しい増感放射線療法(KORTUC)を当院でも行っています。
KORTUCにて種々の局所進行悪性腫瘍に対する放射線治療の効果を飛躍的に高める可能性があります。すでに35例以上に実施し著明な効果を挙げています。

  酵素標的・増感放射線療法(KORTUC)研究実績
1 KORTUCが開く新しい世界- 歴史的経緯をふまえて –
2 切除不能局所進行乳癌や転移巣に対する新しい酵素標的増感放射線治療KORTUCの効果
3 新しい増感放射線治療法KORTUC−大阪医科大学における治療成績−

等を発表しています。


転移性腫瘍

  転移性腫瘍研究実績
1 有痛性骨転移に対する塩化ストロンチウム(89Sr)の有用性
2 骨転移疼痛緩和剤ストロンチウム89の使用経験ー肺癌症例を中心としてー
3 転移性骨腫瘍に対する姑息的放射線治療とデノスマブ同時併用の臨床効果

等を発表しています。


良性疾患

  良性疾患研究実績
1 ケロイドの高線量率組織内照射療法
2 ケロイドに対する新しい治療の可能性―ケロイドの高線量率組織内照射療法

等を発表しています。


血液系腫瘍

  血液系腫瘍研究実績
1 甲状腺原発悪性リンパ腫に対する放射線治療による晩期有害事象

等を発表しています。


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