附属病院診療-放射線治療科。大阪医科大学放射線医学教室

附属病院診療-放射線治療部門

診療について

診断や放射線治療について詳しくは、下記の窓口からどうぞ

診断部門

日本でもふたりにひとりが癌に罹患して三人にひとりが癌で亡くなる時代となりました。
その癌治療の3本柱として、手術、化学療法、放射線治療が挙げられ、放射線治療は他のふたつと比較して体への侵襲が少なく、人にやさしい治療法と言えます。

「放射線」は、目に見えず、体にあたっても何も感じませんが、体の表面や奥にある病気を治すことができます。また放射線治療の技術革新も目覚しく、IMRTや永久刺入治療などの言葉を耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。

当科では、一般に広く行われている外照射以外に、腔内照射、組織内照射、定位手術的照射(SRS: Stereotactic Radio Surgery)、強度変調放射線治療(IMRT: Intensity Modulated Radiation Therapy)、全身照射(WBI: Whole Body Irradiation)など最新技術を駆使した治療を行っています。
平成19年に新規に放射線治療を受けられた方は700名近くで、この5年間は一年に約20-30名ずつ増加しています。

治療の対象となる疾患は肺癌、乳癌、前立腺癌をはじめとする悪性腫瘍のほとんどすべてを網羅しています。またケロイドや甲状腺眼症等の良性疾患に対しても治療しています。詳細な内訳はグラフに示す通りです。

詳細な内訳グラフ


対照射

高精度放射線治療装置(リニアック)

大阪医大では2台の高精度放射線治療装置(リニアック)で放射線治療を行っています。

そのうちの1台は平成25年の10月に導入・稼働したVarian社製の最新型です。

1回の放射線治療にかかる時間は通常10-15分程度で、治療中に痛みや熱感を伴うことはありません。



定位放射線治療

定位放射線治療写真

脳の病巣の局所治療として、「ガンマナイフ」は広く知られています。

これは脳の病巣の治療用に特化した装置で201個あるコバルト60線源の大部分を使用して線量を局所に集中させる装置です。
ガンマ線を用いるのがガンマナイフの名の由来です。当院ではリニアックを用いてガンマナイフとほぼ同等の治療である「Xナイフ」を行っています。


脳定位放射線治療(X-ナイフ)

脳定位放射線治療(X-ナイフ):
多方向から放射線を集中させる方法で、周囲の正常組織に当たる線量を極力減少させることが可能です。

開頭手術を行わず、出血や感染というリスクなしに治療することができます。


 


肺癌に対する定位体幹部放射線治療(SBRT)

幹部放射線治療1

幹部放射線治療2

幹部放射線治療3

定位体幹部放射線治療とは、様々な方向(通常は6〜8方向)から放射線を当てることで、がんにたくさんの放射線を集中させる方法です。良い適応となるのは腫瘍が5cm以下、リンパ節転移がない早期の肺癌です。また条件が合えば再発や転移にも行うこともあります。

現時点で早期肺癌に対する標準治療は外科的切除です。しかし超高齢化社会である日本において、体力や合併症(肺や心臓などの病気)などの理由で手術に耐えられない方が増えると思われます。

また、手術を受けたくない方もいらっしゃいます。このような場合は放射線治療が選択されることが多いです。定位照射線治療が確立する以前の照射法(通常照射と呼びます)では当てたくない部位にもたくさんの放射線が照射されます。

がんをなくすために十分な放射線量を照射することが難しく、外科的切除よりも悪い治療成績でした。
しかし、定位放射線治療の研究が進み、外科的切除に近い治療成績が報告されています。副作用は軽いものが多く、外来通院にて治療可能です。

 



強度変調放射線治療(IMRT)

強度変調放射線治療(IMRT)写真

専用のコンピュータを用いて、腫瘍の形に適した放射線治療を行う新しい照射方法です。腫瘍に放射線を集中し、周囲の正常組織への照射を減らすことができるため、治療効果を高め、副作用を減らすことが可能になります。 当院では前立腺癌や上咽頭癌、転移性腫瘍など年間50例以上の患者様に行っています。



高線量率小線源治療(組織内、腔内照射)

イリジウム192を線源とするマイクロセレクトロンという日本では最も普及している装置が備わっています。この装置を用いて子宮癌・膣癌、食道癌、肺癌、胆道癌などに対する腔内照射、前立腺癌に対する一時刺入組織内照射をおこなっています。


低線量率小線源治療(永久刺入組織内照射)

前立腺癌の組織内照射専用装置で米粒大のヨード125線源を前立腺に永久に埋め込んで照射する装置です。主として低危険度の前立腺癌の治療に用います。海外では20年以上前から行われていた治療です。本邦では線源の人体使用の認可が降りるのが遅れたために5年前から行われるようになりました。治療の精度と自由度はマイクロセレクトロンよりもやや劣りますが、短期間に多くの患者さんを治療することが出来るのが最大の利点です。今後、前立腺癌患者数の激増に対する福音となりそうです。


メタストロン(ストロンチウム-89)

がんの骨転移による疼痛の緩和を目的とした放射線医療薬を用いた治療です。骨の痛みを和らげるための注射用のお薬で当院では50例以上に実施しています。


酵素標的・増感放射線療法(KORTUC)

高知大学で開発された新しい増感放射線療法(KORTUC)を当院でも施行しています。

KORTUCにて種々の局所進行悪性腫瘍に対する放射線治療の効果を飛躍的に高めることができます。平成22年5月に倫理委員会の承認を得て、平成24年12月現在、乳癌や頭頚部癌、悪性黒色腫、転移性腫瘍など35例以上に実施し著明な効果を挙げています。増感放射線治療の適応については御相談下さい。

酵素標的・増感放射線療法(KORTUC)説明図


前立腺癌に対する放射線治療

前立腺癌に対する治療は、大きく放射線療法と手術療法に分けられます。当院では根治療法として永久刺入組織内照射(低線量率;ヨード-125)、高線量率組織内照射(高線量率;イリジウム-192)、強度変調放射線治療(IMRT)や3D 放射線治療などフルラインアップを備え、患者様の病態や状態に合わせて最も適切な治療を行っています。


乳房温存療法にて短期照射法が選べます

乳癌に対する温存術後の放射線治療はカナダ・ブリティッシュ コロンビア方式を採用しています。通常5-6週間(25-30回)かかるところを約3-4週間(16-19回)と短期間で行えます。当院では9割以上の患者様が短期照射法を選択されています。


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