1. 慢性看護学分野

慢性疾患の医療費は年々増大する一方で入院期間は短縮化し、さらに地域包括ケアシステムが推進されるなど、慢性疾患への医療・看護は従来の入院・外来治療を主とした考え方を転換させる時期を迎えています。
慢性看護では、慢性病の予防から、慢性病の個人および家族の健康や生活に及ぼす影響・特徴と、それに対する人々の反応・療養行動特性を理解し、慢性病を持ちながら質の高い生活をするという視点から、専門看護師の専門性を発揮して、施設全体や地域の看護の質の向上を高めることができる人材の育成を目指しています。例えば、慢性病者の包括的アセスメント、疾病予防のための教育支援方法、医療福祉の制度や体制とその革新方策などについて学びます。そして、自分なりの「高度実践専門看護職」のイメージを具体的に描けるようにしてほしいと思います。なお、慢性疾患看護師の専門分野に関しては特に既定はしておりません。

2.精神看護学分野

精神看護学領域の高度実践コースでは、精神看護専門看護師の育成に向けた教育を主眼としています。講義・演習では、①今後の精神看護の動向を視野に入れた法律や福祉のあり方の検討、②精神看護諸理論のレビューと統合、③専門看護師の諸機能に関する理論的検討、④精神看護アセスメント及び治療技法の学修と修得(精神的健康の総合的評価方法、精神科治療技法、精神療法的治療技法)、⑤慢性期リハビリテーション看護領域における諸課題の検討・考察(なお、本領域の現在のサブスペシャリティー科目は慢性期精神看護です)を行ないます。実習はⅠ~Ⅲに分かれ、実習Ⅰは、ⅰ)精神看護専門看護師の役割と機能に関する実習、ⅱ)コーディネーションとコンサルテーション実習から成り、実習Ⅱは、ⅰ)専門看護師のはたらきを踏まえた直接ケア実習(大学附属病院精神神経科病棟及び単科精神科病院)、ⅱ)精神科診断・治療実習に関する実習から成ります。また、実習Ⅲは、困難事例に対する看護展開等、慢性期精神看護の分野での卓越した高度実践能力を培います。そして、課題研究では、様々な観点から精神看護領域における実践に貢献できる研究能力の開発をめざします。

3.がん看護学分野

この分野では、がん医療の中でも特に発展がめざましい薬物療法や放射線療法を受けるがん患者および家族に卓越したケアを提供できるがん看護専門看護師の育成を目指している。がん医療の動向や最新のがんの診断・集学的治療の知識、そしてがん看護や緩和ケアに必要な概念および理論に関する専門知識、根拠に基づく臨床判断過程や熟練した看護ケア技術についての学びを深める。また、看護専門職としての倫理観をもち、複雑な健康課題を抱えながら療養生活しているがん患者および家族に質の高いケアを提供しうる看護実践能力を習得する。さらに、がん看護専門看護師として、看護者を含む医療者への教育や相談の役割、がん患者および家族、医療者間における調整や倫理調整の役割、研究の推進・実施などの役割を果たす能力を養う。

4.母性看護学分野

『高度実践コース(CNSコース)・母性看護学分野』は、「周産期母子援助」を専攻分野専門とする教育課程です。
晩婚化、少子化、医療技術の進歩によるハイリスク妊産褥婦・新生児の増加、出生前診断に伴う倫理的問題、産後のメンタルヘルス、虐待の問題など、周産期において看護学の立場から解決すべき問題は、非常に複雑になっています。 このような現状を受けて、本領域では、新しい家族の誕生期にある母子や家族の健康生活支援のため、質の高い看護を提供できる人材育成をめざします。
教育内容は、講義・演習・実習・課題研究を通して、最新エビデンスを活用し看護活動を創意工夫し変革できる能力と、複雑な問題を抱える妊産婦・新生児とその家族の健康課題の解決、健康維持・増進のための高度な看護実践、調整、倫理的調整、専門領域スタッフへの相談、教育、研究に必要な能力を獲得できるものとしました。
教育を担当するのは、本学教員に加え、母性看護専門看護師、周産期ケア外来を担当するリエゾン精神看護専門看護師、新生児集中ケア認定看護師、医師、遺伝カウンセリングの専門家、経験豊富な臨床指導者など臨床に強い講師陣です。また、実習は、大阪医科大学附属病院、大阪労災病院などで行います。ぜひ本学で私たちと一緒に学んでみませんか。

5.小児看護学分野

成長発達とセルフケア看護理論および家族に関する諸理論を基盤に子どもと家族が内包する健康問題を系統的包括的にアセスメントについて学び、子どもの健康状態を捉え、環境の影響を考慮しながら健康の保持増進、疾病や障がいによる小児と家族の反応を適切に捉え支援できる専門性の高い看護実践能力、専門職との相談や調整能力、子どもの最善を目指した実践での課題を倫理的視点から調整していく能力、子どもや家族への適切な看護ケアのための実践研究を行う能力を修得します。
専門分野実習は、実習Ⅰ(小児の診断と治療)は小児科専門医から指導が受けられる附属病院において、実習Ⅱ、実習Ⅲに関しては、小児看護専門看護師から指導が受けられる病院や療育センター、訪問看護ステーションにおいて院生のニーズに合わせて行います。
 高度実践看護コースは日本看護系大学協議会の38単位教育課程の認定を受けています。