1. ホーム
  2. 心臓のペースメーカー細胞で発現しているhcn4遺伝子が、 腸管神経でも発現して消化管の逆蠕動を制御していることを発見。 —Cell Reportsに発表—

心臓のペースメーカー細胞で発現しているhcn4遺伝子が、 腸管神経でも発現して消化管の逆蠕動を制御していることを発見。 —Cell Reportsに発表—

研究

消化管は脳から独立した高次の神経ネット-ワーク(腸管神経系)を持ちます。この腸管神経系は消化管の正常な機能に不可欠な存在ですが、蠕動(消化管の運動)もその機能の一つです。本学一般・消化器外科学教室の大学院生である藤井らは、生理学教室と共同で、腸管神経系を研究するため、ゼブラフィッシュを実験モデルとして生きた個体での蠕動解析を行いました。まず、国立遺伝学研究所の川上らが作製したトランスジェニックモデルをもとに、心臓のペースメーカー細胞で発現しているhcn4遺伝子が消化管でも発現していることを見出し、免疫組織化学染色によってセロトニンを放出する神経であると同定しました。次に、発生初期の腸管神経系の分化と蠕動の定量化を試みました。空間および時間情報を高度な画像処理技術で定量評価できるセルモーションイメージングシステムSI8000(SONY)を用いて、動きの“大きさ”以外に“方向”をパーラメーターとして捉え、蠕動を解析しました。そしてこの蠕動解析システムを用いて、HCN4発現神経に光活性化タンパク質であるチャネルロドプシンを発現させ、その機能を光で操作し、生体内での役割を評価しました。その結果、腸管におけるHCN4発現神経が、逆蠕動における収縮回数を増加させ、特に短軸方向への平滑筋(輪走筋)の収縮を増強させることを見つけました。更に、伝播速度を制御する介在神経としての機能を有することも明らかとしました。