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遅筋だけが神経の入力を受ける動物を世界で初めて作成。運動神経のつなぎ換えで素早い運動を可能にしていることを発見。
-Science Advances に発表-

研究

骨格筋には、それぞれ性質の異なる速筋と遅筋が存在する。近年、遅筋の神経筋接合部において、従来とは異なる新たな分子構成をもつアセチルコリン受容体が発見された。本学生理学教室の善方文太郎助教らは、この新たな受容体の機能を解析するため、医学研究に広く用いられている熱帯魚ゼブラフィッシュを実験動物とし、従来型の受容体のみに含まれる構成分子をノックアウトした系統を作製した。その結果、新規型のアセチルコリン受容体は遅筋においてのみ発現可能であることが示され、同時に、速筋のアセチルコリン受容体を喪失した動物が得られた。この速筋が機能喪失した系統を用いて運動機能解析を行ったところ、稚魚においては遊泳速度が著しく低下するにも関わらず、成魚では野生型と同じ速度での遊泳が可能であることが示された。さらに、遅筋のみで運動する成魚においては、本来速筋に投射するタイプの運動ニューロンが遅筋へ投射していることが示唆された。また、遅筋線維の一部が速筋線維に近い性質を示すよう変化していることがわかり、これらの現象によって運動機能が補償されると考えられた。