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麻酔を受けられる患者様へ 心臓血管麻酔 小児麻酔

大阪医科大学附属病院中央手術室では、平成21年度、約8000例の手術が施行され、約60%の5000例が麻酔科管理症例でした。

麻酔科では、安全に手術が施行できるように、麻酔科標榜医、専門医、指導医が麻酔を担当しています。



麻酔を受けられる患者様へ

このページは麻酔について説明したものです。内容は一般的な麻酔についての説明であり、必ずしも当てはまらない患者さまもおられます。また、下半身麻酔(脊椎麻酔や硬膜外麻酔)だけで麻酔を予定されている患者さまも途中で全身麻酔に変更になることがあるのでお読みください。

A.麻酔とは
B.麻酔を受ける患者さまへのお願い(必ずお読みください)
C.全身麻酔の流れ
D.全身麻酔と硬膜外麻酔を併用して受ける患者さまへ
E.脊椎麻酔または硬膜外麻酔だけの手術を予定されている患者さまへ

A.麻酔とは
麻酔とは、手術中の痛みを取り除くだけでなく、患者さんの状態を見守り、色々な処置を行うことにより手術が安全に行えるようにすることです。患者さまの全身状態を管理するため、血圧、脈拍、心電図、体温、呼吸状態などを常に監視していきます。何か異常があれば直ちに適切な対処がなされます。

誰が行うのか?
この全身状態の管理は麻酔科医(麻酔を専門とする医師)によって行われます。手術中は常時、麻酔科医が患者さまのそばにおります。麻酔法も患者さんに適したものを麻酔科医が選びます。
この様に万一に備えて対応できる状態にあってはじめて安全に手術が行われるのです。

B.麻酔を受ける患者さまへのお願い

麻酔にはさまざまな薬を用います。そして薬に対して予期できない反応が生じたり、その他にも予想できないようなことが起こることがあります。このため麻酔の安全性は100%とはいえないのが現状です。しかし、麻酔を専門としている医師のいる病院では麻酔による死亡は交通事故による死亡頻度(約一万人に一人)よりもはるかに低いと言われています。我々麻酔科医は常に最善を尽くしておりますが、より安全な麻酔には患者さまの強力が必要です。以下のことをよく読んでご協力をお願いいたします。

1.何でも教えてください
安全な麻酔のためには患者さまの身体を詳しく知ることが必要です。身体の異常や医師に異常を指摘されたことなどは、小さなことでも忘れずに教えてください。『血糖が高い』、『血圧が高い』等は自覚症状が無くても全身に悪影響が出ていることが多いので注意してください。現在は治っているものもお知らせください。
また、他の病院で薬をもらっている方はその薬等も見せてください。特に血が固まりにくくなる薬(バファリン、ワーファリンなど)を飲んでいる場合は必ず申し出てください。手術中に血が止まらなかったり、硬膜外麻酔後に足の麻痺を起すことがあります。
アレルギーはありませんか?薬や食べ物だけでなく、ゴム手袋などのゴム製品(ラテックス製品)によるアレルギーも注意が必要です。

2.絶食の指示は必ず守って下さい
胃の中に食べ物が残っていると、麻酔中に胃から口の中に逆流し、さらに気管の中に入ることがあります。こうなると胃酸による重い肺炎を起こし、生命を落としてしまうこともあります。もしも間違って何かを飲食してしまった場合は主治医や看護師までお知らせ下さい。

3.禁煙してください
タバコを吸っている方は、手術の後に痰が多くなり肺炎を起こしやすくなります。また咳が出やすいので傷の痛みが強くなります。すぐに禁煙をしてください。

4.手術が延期になることもあります
患者さんの手術前の状態によっては手術日を遅らせる可能性があります。万全な状態でより安全な麻酔(手術)を行うためですのでご了承ください。特に急な発熱や風邪などでは手術当日でも延期となることもあります。軽い風邪でも術後の肺炎の原因になります。

5.手術後の痛みについて
手術後の痛みは無理に我慢する必要はありません。以前は『痛み止めを使うと治りが遅くなる』と信じられたこともありますが、そのようなことはありません。副作用の無い範囲で使用します。

- 手術前の注意 -
C.全身麻酔の流れ

1.麻酔科術前診察室で
a)術前診察 
患者さまのなかには手術の対象となる病気以外にも心臓病や喘息などの病気(合併症と言います)をお持ちの方がおられます。その様な方が安全に手術を受けることが出来るように麻酔科医はこの合併症の状態を把握し、場合によっては手術前に適切な治療、投薬も行います。そのため、麻酔科の仕事は手術の前から始まるのです。ですから手術の前に(多くの場合、手術の前日です)麻酔科術前診察室へ来ていただき、お話しを聞かせてもらったり診察をさせていただきます。今までに体の異常などがあれば何でも(現在治っていても)お教えください。また、麻酔に関する疑問、心配事などもこの時に質問して下されば結構です。
その後に、麻酔の一連の流れや、麻酔の危険性・合併症の説明をさせていただきます。そして、麻酔の説明にご同意いただければ、麻酔同意書にサインをしていただきます。(インフォームド・コンセント)。

2.病棟で
b)麻酔科からのお薬
手術を受ける患者さんは、皆さん不安を感じておられると思います。そのため、麻酔科医が前日の夜に入眠剤(眠りやすくする薬)を処方したり、手術室へ行く前に抗不安薬(不安を抑える薬)を筋肉内注射したりします。これらは、患者さんの状態や手術の関係で行わないこともあります。
またこれらの薬と同時に、胃酸を減らしたり唾液を少なくしたりする薬を使う場合もあります。


3.手術室で
a)麻酔の準備(心電図など)
手術室では見慣れない器具が数多く有りますが、それらは患者さんを守るためのものです。まず初めに、心電図や血圧計などを付けます。特に痛みを伴うものはありません。

b)点滴をします
次に、点滴の針を入れます。これは少し痛みますが必ず必要なものですので我慢してください。
(病棟で点滴をしてくる場合はそれを使いますので手術室では針を刺さなくてすみます。)
いろいろなことを同時に行い、少し慌あわただしい感じがするかもしれませんが、声を掛けながら行いますので心配いりません。

c)硬膜外麻酔を併用する患者さまは、ここで背中から針を刺してチューブを入れます。

d)酸素を吸います
マスクからの酸素を吸いながら眠っていただきます。全身麻酔は点滴の管の所から麻酔薬を入れますので、特別な処置はありません。

- 手術室の様子 -

e)口からチューブを入れます
眠った後で、口からのどの奥(気管)まで人工呼吸用のチューブを入れます。麻酔がかかっているので苦しいことはありません。しかし、このチューブを入れる時に前歯がぐらついたり折れる場合があります。現在ぐらついている歯や刺し歯がある方はあらかじめ申し出てください。

f)手術の長さと麻酔
全身麻酔薬は手術の時間に応じて追加できますので長い手術でも大丈夫です。また、手術(麻酔)は短いに越したことはありませんが、長時間でも特に心配いりません。

g)手術中の安全
手術中は、麻酔科医がそばにいて患者さんの状態などをみながら、麻酔の強さを調節し、必要があれば適切な処置を行います。(常に患者さまを見守っています。)

h)麻酔からの覚醒(目が醒めること)
手術が終われば通常、数分から数十分で麻酔から覚めます。(ただし心臓の手術など、特に必要の有る場合は手術後しばらく麻酔から覚めないようにすることもあります。)

i)口に入ったチューブを抜きます
手術が終われば、口に入っているチューブを抜きます。このとき患者さんが十分自分の力で呼吸できることを確認しますので、目が覚めたらゆっくり大きな呼吸をしてください。

j)手術室から帰ります
口のチューブを抜き、呼吸や意識が戻っていることを確認すれば麻酔は終了です。お部屋の方へ帰れます。しかし、まだ少しぼんやりしているため、手術室を出て行くときの記憶が無いことが多いようです。通常は病棟のお部屋に帰りますが、大きな手術の場合は、集中治療室(ICU)へ入っていただくこともあります。
特別の場合を除き、麻酔中に尿を取るための管を入れます。麻酔から覚めたときに尿意(おしっこをしたい感じ)を感じることがありますが、この管による違和感です。(尿は管から流出しています)

以上が全身麻酔のおおまかな流れです。

注意
口の中のチューブは声門(声を出す所)を通るため、術後に嗄声(声がかれる)が起こる事があります。ほとんどは数日で元に戻りますが、稀に回復が遅れる場合があります。その場合もリハビリなどで回復します。しかし極めて稀に、かなり長期間持続し手術などの処置を必要とする事もあります。

D.全身麻酔と硬膜外麻酔を併用して受ける患者さまへ

以下の手術の場合に硬膜外麻酔を併用して行うことが多い。(最終的には麻酔科医が決定します)

硬膜外麻酔を行うことが多い手術(必ずしも行うとは限りません)
・肺の手術
・腹部の手術(胃、胆嚢、腸、子宮、卵巣、腎臓、膀胱など)
・下肢の手術(股関節、膝関節の人工関節など)
ただし肺、胆嚢、膀胱などで内視鏡手術の様に術後の痛みがそれほど強くない場合は普通、硬膜外麻酔は行いません。

1.硬膜外麻酔の目的
殆ど全ての手術は全身麻酔だけでも可能です。しかし、手術後の痛みが強いと予想される場合はこれを軽くするために、硬膜外麻酔を併用することがあります(頭、頚、腕など使えない手術もあります)。この硬膜外麻酔は背中(背骨の間)から細いチューブ(直径1 mm位)を入れます。このチューブから麻酔薬を入れると痛みが和らぐのですが、手術中だけでなく手術後にも使うことができます。これにより傷の痛みはかなり軽減します。それでも痛みが強い時は、坐薬や筋肉注射などの痛み止めを追加することで更に痛みが軽くなります。
以上のように、痛みに対し有効な硬膜外麻酔ですが、背中からチューブを入れるときに少し我慢が必要です。皮膚に局部麻酔をしますのでそれほど強い痛みではありません。局部麻酔をする痛みだけです。背中からチューブを入れるときは患者さんが動くと危険ですので、痛いときは動かずに声に出して言ってください。

2.硬膜外麻酔の手順
a)硬膜外麻酔は心電図や点滴が終わった後に行います。

b)硬膜外麻酔を行う(チューブを入れる)時の姿勢は、横向けに寝てから両膝を抱え、首はお臍(ヘソ)を見るように曲げ、小さく丸くなっていただきます。背中を丸くすることによって、背骨の間を広げるのです。

c)姿勢がうまくできれば、背中を2回消毒します。(冷たいです)

d)背中の皮膚に局部麻酔をします。この時、必ず声をかけます。突然針を刺すことはありません。

e)チューブを入れるための針を刺します。これは局部麻酔が効いているので痛くないのですが押されるような感じがします。この操作は難しいので少し時間がかかりますが、動くと危険ですので動かないでください。もしも痛かったり異常が有れば動かずに声を出して教えてください。

f)以上で硬膜外麻酔が終わります。次に全身麻酔が始まります。(その前に、背中のチューブから麻酔薬を入れて効き具合を調べる場合もあります。)

※硬膜外麻酔の時の姿勢 (ベッドが狭いので気を付けて下さい)
E,脊椎麻酔または硬膜外麻酔だけの手術を予定されている患者さまへ

脊椎麻酔と硬膜外麻酔はどちらも臍(おへそ)から下に効く麻酔法です。背骨の腰の辺りから針を刺して薬を入れると下半身がしびれてくるのでいわゆる『下半身麻酔』と呼ばれるものです。どちらも共通点が多いので一緒に説明します。

全身麻酔になる事があります
これらの麻酔法を予定されていても、次のような場合には全身麻酔に変更されますので御了承ください。安全性は全身麻酔も同程度ですので心配ありません。
・術前に血が止りにくいと思われた場合(肝疾患、薬剤など)
・背骨の変形が強く針が入り難い場合(高齢者など)
・麻酔の効果が不十分の場合(数%有ります)
・手術が長時間になると思われる場合
・患者さまの緊張が強い場合(血圧が高くなったりします)
・その他、麻酔科医が必要と判断した場合

1.麻酔の手順
a)脊椎麻酔、硬膜外麻酔は心電図や点滴が終わった後に行います。

b)麻酔を行う時の姿勢は、横向けに寝てから両膝を抱え、首はお臍(ヘソ)を見るように曲げ、小さく丸くなっていただきます。背中を丸くすることによって、背骨の間を広げるのです。

c)姿勢がうまくできれば、背中を2回消毒します。(冷たいです)

麻酔の時の姿勢(ベッドが狭いので気を付けて下さい)

d)背中の皮膚に局部麻酔をします。この時、必ず声をかけます。突然針を刺すことはありません。

e)麻酔の針を刺します。これは局部麻酔が効いているので痛くないのですが押されるような感じがします。この操作は難しいので少し時間がかかりますが、動くと危険ですので動かないでください。
もしも痛かったり異常が有れば動かずに声を出して教えてください。

f)麻酔薬が入ってもすぐには麻酔が効きません。脊椎麻酔は5分位、硬膜外麻酔は15分前後かかります。

g)麻酔の効果は消毒用のアルコールで調べます。麻酔が効くとアルコールで触っても冷たくなくなります。この時、触っているのが分かっても、冷たくなければ麻酔は効いています。また、硬膜外麻酔は麻酔が効いても足が動きます。

h)麻酔が充分効いていれば手術が始まります。

(参考)
脊椎麻酔と硬膜外麻酔の違い

背骨にある脊髄神経は硬膜と言うものでできた細長い袋の中にあり、液体の中に浮かんでいます。硬膜外麻酔はその名の通り、硬膜の外に麻酔薬を入れます。麻酔薬は硬膜を通して脊髄神経に作用するため、効くのに時間がかかるのです。
脊椎麻酔は硬膜の中に麻酔薬を入れる(針で硬膜を破る)ので麻酔はより速く効きます。つまり両者は針を刺す深さが違います。

どちらの麻酔法も一長一短があり、どちらが優れているとは言えません。それぞれの特徴を考え、より適した方を選びます。

 
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