e)口からチューブを入れます
眠った後で、口からのどの奥(気管)まで人工呼吸用のチューブを入れます。麻酔がかかっているので苦しいことはありません。
しかし、このチューブを入れる時に前歯がぐらついたり折れる場合があります。現在ぐらついている歯や刺し歯がある方はあらかじめ申し出てください。
f)手術の長さと麻酔
全身麻酔薬は手術の時間に応じて追加できますので長い手術でも大丈夫です。また、手術(麻酔)は短いに越したことはありませんが、長時間でも特に心配いりません。
g)手術中の安全
手術中は、麻酔科医がそばにいて患者さんの状態などをみながら、麻酔の強さを調節し、必要があれば適切な処置を行います。(常に患者さんを見守っています。)
h)麻酔からの覚醒(目が醒めること)
手術が終われば通常、数分から数十分で麻酔から覚めます。(ただし心臓の手術など、特に必要の有る場合は手術後しばらく麻酔から覚めないようにすることもあります。)
i)口に入ったチューブを抜きます
手術が終われば、口に入っているチューブを抜きます。このとき患者さんが十分自分の力で呼吸できることを確認しますので、目が覚めたらゆっくり大きな呼吸をしてください。
j)手術室から帰ります
口のチューブを抜き、呼吸や意識が戻っていることを確認すれば麻酔は終了です。お部屋の方へ帰れます。
しかし、まだ少しぼんやりしているため、手術室を出て行くときの記憶が無いことが多いようです。通常は病棟のお部屋に帰りますが、大きな手術の場合は、集中治療室(ICU)へ入っていただくこともあります。
特別の場合を除き、麻酔中に尿を取るための管を入れます。麻酔から覚めたときに尿意(おしっこをしたい感じ)を感じることがありますが、この管による違和感です。(尿は管から流出しています)
以上が全身麻酔のおおまかな流れです。
注意
口の中のチューブは声門(声を出す所)を通るため、術後に嗄声(声がかれる)が起こる事があります。
ほとんどは数日で元に戻りますが、稀に回復が遅れる場合があります。その場合もリハビリなどで回復します。しかし極めて稀に、かなり長期間持続し手術などの処置を必要とする事もあります。 |