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東洋医学とペインクリニック研究会
東洋医学のルーツ「中医学」について

1.中医学って何のこと?
今から3000年前の中国に、古代中国の哲学概念を利用して、人体に鍼を使って病気を治す方法がありました。これが現代にまで引き継がれたのが鍼灸治療です。

中国では鍼灸や漢方等を用いて病気を治す方法を中国伝統医学と呼んでいます。現代では「中医学」と略して呼ばれています。

私たちがよく耳にする中国針というのは、この中医学の教育を受け、病気を治す方法を指すのであって、中国製造の鍼を使うことではありません。


2.中医学の診断に基づいた治療
では中国式の鍼治療方法とはどういうものでしょうか?
先ず、ひとつの病気に対して、いくつかのタイプに分類します。病気を起こす原因が違うと、当然その症状も変わってくるのです。原因と結果のプロセスを明らかにすることにより、体に最も適した治療を行います。

たとえば体の抵抗力が弱くなり、すぐに病気をしてしまいがちなお年寄り。若くても抵抗力がない病弱な青年など、私たちの周辺を見渡しても現代人の健康状態もさまざまです。したがって年齢や体質、生活習慣などについて詳細な情報をもとにして鍼灸治療のパターンを作ることが優先されます。


3.鍼の素材による得気現象
鍼は細い日本のものとは違っています。やや太めの鍼を使って治療を行います。鍼の材質と太さは得気という現象を左右するからなのです。
得気を一言でいうと「鍼のひびき」のことです。ひびきは神経の流れに沿って出現することが多くその感覚は怠いような、重いような心地よさがあります。
実はこのひびきこそが脳内モルヒネを生み出す原動力なのです。脳内の下垂体で製造されているエンドルフィンは、鍼の刺激により生まれ、全身をめぐって、痛みをやわらげ、精神を安定させる働きがあります。実はこの脳内モルヒネを用いたものが針麻酔だったのです。

以前、本学の麻酔学教室と京都大学の共同研究においても鍼刺激によるエンドルフィンの効果が確認できました。つまり最適な鍼刺激は脳内で作られる物質と関係しているということです。これは中国伝統医学の科学的な研究として世界の注目を集めました。


4.体質に合わせた最適な刺激を判断する
肉体にとって最適な鍼刺激を受けるためには、診断学に基づいた弁証を行います。
この弁証は患者の病気に対して最も適した治療方法を探し出す技術のことです。原因別、年齢別、肉体別、職業別、体質別、男女別、環境別などについてもしっかりと肉体より送られる情報の把握を行い、鍼のテクニックよる刺激の量と質を決めていくのです。

中医学の適応疾患は痛みだけではなく、内科系、耳鼻咽喉科系、精神系、婦人科系疾患など、さまざまな病気に対して用いられているのです。病気を根本より治療する、それが中医学を用いた治療です。 

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